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アニヲタ兼スノ担による映画おそ松さん考察&感想〜前編〜

メイキング10分も見れるなんて嬉しすぎて映画6回目キメてきました。流石にセリフも覚えてきました。

こんなに同じ映画をリピートするのは、映画研究や脚本のために受けていた大学の授業以来です。

という訳で。


映画好き&舞台好き&アニメ好き&SnowMan担であり、映像を4年間学んできた私なりの、映画おそ松さんの個人的解釈による考察です。

(とても長くなってしまったので前編)


映画鑑賞の個人的ポリシー故にメモは一切取らずに記憶だけで書いているので間違ってる箇所があれば大変申し訳ありません……。


【以下、猛烈にネタバレしかしません】





まず、アニメシリーズおそ松さんも、メタネタ&パロネタが宝庫なのでそこを“設定“として組み込んでるのがすごい。


お蔵入りとなった幻の一話を筆頭に、売れてしまったことをネタにしたり、声優さんが声優さん役で出たり……アニメでも枚挙に暇がないくらいのメタネタ&パロはすごいので、実写だとこうなりますよ、というのが伏線張りながら笑わせに来ているのがおそ松イズムだなと思ってます。


櫻井孝宏(おそ松兄さん)「僕達六つ子がアニメの世界を飛び出して〜」


これ、櫻井さんのこのナレーション入ってる時点で、この映画ってアニメ版の六つ子たちの魂が、実写のガワを借りて(=飛び出して)自分が主役になる物語が根幹なので、他のアニメ漫画原作の実写と一線を画すと思ってます。


実写化ってあくまでも原作の再現とか美味しいシーンのつなぎ合わせが多いのでアニメの人格は時として丸無視されてることもありますし。


今回の映画おそ松さんっておそ松兄さんがチートなのである種最初から物語を動かしていると思ってます。

理由の一つは、ハルとループ物語をするにあたりキーアイテムとなってる【失われた時を求めて
読んでないので上っ面の考察になってしまいますが、この本自体が構造的にこの映画のオマージュ元になっていると思ってます。(by wikiレベルの薄い考察)


https://twitter.com/mmkjka2/status/1508954469811494912?t=ve8r6lCs_FGdstAyUDXpMA&s=19

実写化って何?映画って何??
ハチャメチャギャグの中に、この高度なテーマをネタにして笑いを取っているのが映画おそ松さんなので、私は正直、映画の知識が薄い人ほどこの映画は面白くないと思ってます。


それは、アニメおそ松さんシリーズにも通じるのですが【パロディの元ネタがわからないものは笑えない】っていう、風刺の醍醐味がわからない人には全く琴線が触れないものだからです。


映画おそ松さんは、音楽、カメラワーク、衣装という演出のすべてをパロディしているので脚本だけ、とか、ネタの仕方の次元がガチ、なんです。

幻のお蔵入りしたアニメ1話で、あれ……うたプリ始まった……???みたいな……カット割りも音の作り込みも進撃の巨人じゃん!!!みたいな……そんな細かいことを今回映画で、映画の法則の上で展開しているわけです。


おそ松の場合
①自覚のある主役
②RA●WIM●S……
③予告だけでだいたい分かる系王道恋愛映画


おそ松兄さんは、誰よりも終始、これは映画のおそ松さんでありスクリーンでカッコよく好きな物語を展開できる自覚があるキャラ、です。


東大を目指す!の、セリフの後、所謂おそ松さん風なBGMまでは普通のおそ松人格かなと思うのですが……
トト子ちゃんが図書館に来て「トト子のために頑張ってる?」って質問した時から、すでに(恋愛)映画の主役ムーブに入ってるんと思うんですよね。


これは雷が落ちる前。トト子ちゃんの質問に対し返答する時、すごく不穏なSEがはさまって、ニヤリ顔をしたおそ松兄さんカットが入り、「自分が養子になったら他の六つ子が寂しくない」っていうおそ松さんにしてはめちゃくちゃいいセリフ(失礼)をめちゃくちゃいい人間ドラマ風に(失礼)言うんです。


この不穏なSE、本当に不穏。
コナンなら殺人起きる音。不安を煽る系なので、おそ松兄さんの魂胆がしれっと見える演出だと思います。


そして、トト子ちゃんもおそ松兄さんに当てられてめちゃくちゃかわいいヒロインムーブしてるんですよね。普通に恋愛映画成立するじゃん、っていう。結婚前提じゃん。っていう。


この時、他の六つ子たちはそれぞれ体鍛え始めたり、にゃーちゃんグッズ捨てたり、就活始めたりバット振ってたりわりと普通なんで各映画の主人公ムーブにはまだ、入ってないと思います。


だから早い段階で……おそらくおそ松兄さんだけは雷が落ちる前から、スクリーン映えする自分を画策してたのかしら?という演出になってます。


そして、静かにゆれた〜僕の心〜♪というそれっぽい音楽と共に失われた時を求めてを手に取るハルとの一目惚れっぽいシーン。


この時点でパチンコ屋の前でうんこしようとしてた人とは一緒とは思えないし、映像の演出も変わってる。


背景ぼやかし、チンダル多め、BGMなし、SE強調した恋愛映画。
さっきまで、くっきり背景に色調強めな画作りはどこへやら……。淡くてパステルな画面に!


本をめくる音とかカバン開く音とか!
さっきまで!強調してなかったのに!!!
めちゃくちゃSEで、たてるじゃん!!!
およそコメディ映画じゃ味わえないフォーリーのリアルさにぞくぞくするぅ!!!


ハルのセリフとか明らかに、「そんな喋り方する女、日常にいねーよ!」って感じなのに、恋愛映画になると「めっっっちゃこういうヒロインいる!!!」っていう言い回しなんですよね。間も含めて。


ノローグも入れて完璧な恋愛映画でした。
康二くんの甘くて舌足らずでハスキーな感じもかわいいね。


ハルちゃん、ループもの&不思議抱えてる友達少ない意味深儚い病弱余命短し名前偽り系の、もう予告見ただけでわかる、死ぬやつやん!!!ってタイプのヒロイン属性てんこもり。記憶喪失属性なかっただけマシ。


トト子ちゃんの「盛りすぎだろォ」にめちゃくちゃ同意した。固い握手。


おそ松兄さんは、兄弟思いで真面目な恋愛映画の主役をやりたかったのかな……。
設定モリモリすぎて何のパロディかわからないくらい色んな恋愛映画盛り込んでみました感がすごい。


カラ松の場合
①洋画あるある
②アクション映画あるある
滝沢歌舞伎ZERO


カラ松くん、全体的に肉を肉で巻くタイプのカラ松だったから壁ドンして吐いたりしない??
F6寄りなカラ松の印象でした。


カラ松は雷きっかけで川に落ち、そのままBROOKLYNへ……。
マジで何を言ってるかわからないけどおそ松WORLDだから許されるのだぜ……。


川に落ちなければBROOKLYNにも行ってないはずなので、やはり雷がキー。


カラ松がBROOKLYNに行ったところ、まず、字幕フォントが少しおしゃれなのとアスペクト比が変わってるんですよね。
グレーディングも筋トレ中と変わっていてオサレ。


この時点で洋画っぽさがすごい。
プロップも凝ってるし、助けた女性の(おそらく子供が)割った食器を片しに行くときのSEも前のシーンで酒瓶が割れた時より軽めのSEで洋画のフォーリーっぽいなぁと感じました。


アクション映画あるあるとしては、多国籍チームのプロの集い、あと1分で止めないといけない何かのカウントダウン、銃を撃つ時に座って両手でさばくモブの女性とか、地味なトコロもありつつ……


ピリカラの見ごたえがあるアクション(あれがスタントなしでメンバー内で完結してやれるのシンプルにすごいと思いました)


アクセサリーに記されていたパスワードで危険回避できたり、バトルを終えて去り際のピリオドが急にゆっくりになるところ……


コレコレェ〜!って感じで胸熱でした。


カラ松のパートはBROOKLYNに行っただけあって(?)他の六つ子が関与しないのですが、ある意味自分とよく似た相棒=ピリオドと出会ってバディモノ要素もパロってるのが良いですね。終わらせる気ないですけどね。


刀投げは滝沢歌舞伎ZEROのオマージュなので銃撃戦で何故急に刀?とかツッコんだら負け。
これはサービスシーン。


滝沢歌舞伎ZERO見たことない人はネトフリで見れるから見てみてください。


洋画と言ってもB級映画パロな気がしてます。
CGとかあまり使わずにアクションで見せるタイプ。

ピリカラのところは歌なしのカッコイイBGMのみだったけど、それも大変洋画らしさがあってとても良かったです。


チョロ松の場合
①平成の香りがする歌
②とにかく夜の世界パロディ
世界の中心で、愛をさけぶおそチョロ


声の高さも話し方も真逆の目黒君がどう演じるのか本当に想像できなかったけど実写化で目黒蓮だからできるチョロ松がすごい。


へそウォ勢歓喜。夜の世界を羽ばたくチョロ松。
夜王かな……。


任侠×ホストって夜の世界牛耳ってる……。
目黒君、お芝居上手いんだなって思ったのがお酒飲んでアルコールの強さで一瞬グラッとする様子をちゃんと入れ込んでいるトコロですね。
(お小水終わったな……っていうおそ松兄さんにも通じますけど細かく丁寧に演じてくれてありがとうね)


目黒蓮くん、お芝居の才能ありすぎるのとコメディイケることがわかったので、いつか宮藤官九郎さんの脚本作品に出演してくれますように。
私は長瀬智也さんのお芝居が大好きなんですけど、それに、通ずるものを感じました。人情、愛嬌、カッコよさ、適度なおバカさ。
タイガー&ドラゴンとかうぬぼれ刑事の路線もハマりそう。


話がそれましたが。
翡翠のチェリーボーイ、チョロ松は任侠ものにwhen youで突然シーンカットされる平成初期の懐メロみたいな曲がとてもいい。


私が任侠モノ見てなくて知識が薄いけどSEとかフォントはここでも細かく演出されてて良かった。


チョロ松は、雷明けにはホストになってたのと、おそ松兄さんの作品の若干当て馬ポジっぽいのが自意識ライジングで周り見えてない感じ出てますね。


エンドのポンコツ終わらせムーブにもしっかり最初からあてられてるし……。
チョロ松はおそ松がいなかったらハルが本を持ち帰ることもなく、本をもらっておもしれー女ムーブがなくなっていたはずなので、ハルと恋に落ちてないし、なんならエンドに刺されて死んでた可能性までありますから、おそ松兄さん居てよかったね……。と思います。


でも死んだら死んだでめちゃくちゃ泣けるいいエンドをエンドが用意してくれるし、世界の中心で、愛をさけぶおそチョロが全国放映されてたかもしれません。


おそチョロコンビは、トト子ちゃんが直接現場に行って「私は!?」とか「ナニコレぇ!」とか振られる女ポジで野次を入れてもスルーしてるあたりは主役ムーブ楽しんでるだろうなと思ってます。


→→長くなってしたまので後編に、続く